学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!- 山崎幸治さんに聞いてみた!編
2025.09.03 学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!- 山崎幸治さんに聞いてみた!編

『学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!』とは

市民参加型イベント「アサカストリートテラス」の運営に関わる人たちに朝霞の大学生がインタビュー!意外と知られていないアサカストリートテラス開催の経緯、さらには運営の皆さんの想いや裏話を聞いていきます!

今回お話しを聞いた方

山崎 幸治 さん

山崎 幸治 さん

1947年創業の株式会社一進堂の代表取締役を務める。書店、会社のIT環境を整える支援を行う。朝霞生まれ朝霞育ち朝霞在住で、地域をより良くするための支援を行うことがライフワークとなっています。

アサカストリートテラスに関わるきっかけを教えてください!

アサカストリートテラスはゼロから作り出したものです。2020年のコロナど真ん中に、みんながイベントやるなんて不謹慎、どこも行けないという塞ぎ込む雰囲気がある中で、何かしなければという想いでした。そこに滝澤さんから屋外なら何かしら出来るのではないかと相談に来たのが始まりです。行政主導ではさすがに主催とまではできないし、滝澤さんも個人だけでは出来ることは限られるため、そこで当時駅前商店街会長だった私に相談が来ました。だから実は最初の主催は朝霞駅前商店街だったんです。

正直、今考えるだけでもあのコロナ禍で開催というのは逆風がすごそうですが、なぜやろうと思ったのですか?

やるかやらないかって言ったら前進することを選んで進みたいという想いがあったからですね。でも、あの時期にイベントやるのはめちゃくちゃリスクです笑。仲間内からも「山崎、勝手に何やってんだよ!」と商店街メンバーでも「この時期にそんなイベントやるなら辞めさせてもらいます」と、仲間内でも一枚岩ではなくて、、それでもその大勢がやるほうを選んで背中を押してくれたので、やろう!となりました。その責任、矢面に立ったのが私でした。

そうだったのですね、、アサカストリートテラスの中心人物として最初はかなり強烈な1年目でしたね、、

「あのころは生きた心地がしなかった。」 と滝澤さんとよく話します笑
参加されてたみんなは楽しいイベントだという印象かもしれませんが、1年目はお金もなければ周りの賛同もなく、結果論ではあるけれども、あの時は緊急事態宣言の合間のイベントだったから、もしクラスターが出ていたらニュースになって来年から中止になっていただろうと想像すると、その責任は主催。その場合、問い合わせ先はうちの会社の事務所になる。そういった点では、とにかく強烈な一年目でした。

山崎さん_1枚目


そんな逆風の中でしたが、2年目、3年目と続いて、アサカストリートテラスは6年目を迎えますね!

最初が上手くできたのは奇跡的で、色んな人の縁とかタイミングとかもあったと思います。とにかく仲間がいなくて、、ずっと2人(滝澤さんと)で打ち合わせをして、そして持ち寄ったものを商店街や行政に打診という感じでした。けれど、1年目に成功してから周りに認めてもらって、認知されていって商工会や市役所など色んな団体が前向きにこのイベントを捉えてくれるようになりました。

立ち上げも大変そうでしたが、これから続けていくために現在の体制はどのようになっているのでしょうか?

当然、朝霞市としてもアサカストリートテラスが成功したので続けましょうということになりましたが、商店街という括りでは維持が難しいので、官民連携組織の「あさかエリアデザイン会議」を組織しました。そして、このイベントだけなく「エリアビジョン」といわれる、まちづくり全体を行政と一緒に進め、動きのイニシアチブは民間で行うという特殊な形態をとっています。これは全国的に見ても上手くいっているところは珍しいらしく、例えば形は同じでもだいたいは行政主導だったり、あるいはデベロッパーみたいな開発の仕事が頭にあって、立て付けを作っているところもあるらしいのですが、行政が子供の多いこの朝霞で仕事や生活をしている人の意見を汲み上げるという方式はあまりないです。なので全国から視察しに来ていて、実際、神奈川県の職員向けに公演をやったりとか、1年前には川越市のイベントで京都市と伊勢市の代表とパネルディスカッションをしたり。おそらく街づくりの概念からいうとインパクトがあるみたいです。結論、今は色んな人が参加したり手伝ってくれているおかげで運営することが出来ています。

去年はクラファンを実施するなど、正直、長く続けるためにも資金面など大変なこともありますよね?

正直、他のまちでも行われているような従来のイベントって、市が用意してくれていると思いがちで、住んでる市民側は、税金払ってんだから受益権あるよねと思ってしまっているところもあります。けど、このイベントは税金で運営されていないんですよね。最初の3年間は国の補助金で何とかやってきましたが、去年からは補助金も打ち切られた状態で自立自走しなければならなくなりました。こうしたリアルな部分も市民に理解してもらって、準備をしている人や時間を割いてくれている人に対価を払わないといけないのはやりたいことの維持に必要だと感じています。私たちのやっていることが市のイベントのように大きくなって認められてきたときに、もう一度市民の皆さんにこのイベントの成り立ちが伝わり、共感や応援いただけると大変うれしいですし、アサカストリートテラスの維持継続につながります。これからはもっと「朝霞に暮らすみんなが創っていく私たちのイベントだ」と紹介したいですし、実現したいです。

山崎さん_2枚目


自分の住んでいる街だからこそ市民が主体的に動くのは大事ですよね!山崎さんのアサカストリートテラスにおける目標はありますか?

前提として、ストリートテラスはイベントなのでまちづくりの手法のひとつではあるが目的では無いです。私たちがやろうとしているのは、朝霞市の行政のみんなと、描きたいまちづくりを民間の視点で作り上げるということであって、まだその中長期計画の途中です。課題もやりたいこともいっぱいです。だけど1番大事なのは住んでる人が「いい街だよね」「いい人の集まりだよね」とこのアサカストリートテラスを通して思ってもらえることが 究極形態です。

市民の意見を吸い上げて、朝霞市と一緒により良いまちづくりをしていく!とても素敵ですし、もっと市民の皆さんにも参加してほしいですね!

何事においてもやるかやらないかの正解は分かりにくいです。失敗してもやってよかったと思うこともありますし、、今こうして人前で喋ったり、あさかエリアデザイン会議の会長をやっているのは結果論なんだけれども、このアサカストリートテラスをやったから全国から視察に来るようなイベントになって、朝霞の注目度も上がって、、、この企画が朝霞のより良いまちづくりに寄与できていると感じます。悩んだ時はやってみようという姿勢そのものが良かったと思っています。

私たちも朝霞の地域づくりの学生団体「アサカシティラボ」として山崎さんには大変お世話になっています。こうした朝霞の大人の方の頑張りを見て私たちも刺激をいただいています!

泥臭くやることを斜に構えることは大人になるとよくあるのですが、僕自身はひとりの親として1人の見本として泥臭くやる背中を見せるというのは、その姿勢が継承され、新しい才能を持つ人たちが、「山崎が頑張ってるなら力を貸そう」となってくれる、わかってくれる人がいる、というのが本質的な意味だと信じています。

アサカストリートテラスを参加される皆さんにはどのように楽しんでもらいたいですか?

アサカストリートテラスは、いわゆるパーティー!みたいなノリではなく、住んでる人が散歩に来る感覚で楽しめるような感じなので、ゆるく楽しんでもらいたいなと思っています。
また、願いとして、住んでる朝霞にこんなに楽しいことがあるんだという、郷土愛とも違うが、住んでいてよかったという想いを持って欲しいですね。

山崎さん_3枚目


最後に!山崎さんは今後、朝霞がどのようになったら嬉しいですか?

アサカストリートテラスとしての小さな目標としては、朝霞市民が推し活みたいに僕らの活動を知って、応援してくれるようになってもらえると嬉しいですね。自分のできる限りの力とリソースを割いて、ビジョンに沿ったまちづくりをしていくだけでも5年はかかります。こうした活動を着実に進めながら、出会ってきたプレイヤーのみんなや若者が一緒になってこのまちづくりに参画して、育てていってくれるような、次世代とがつながっていくことが目標であり理想です。私は政治家じゃないので、1番住みやすい街にしたいとかいうことよりも、住んでる人がこの街に愛着が湧いてそのために協力したいと思わせるムーブメントを起こしていきたいと思っています。