学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!- 市役所に聞いてみた!編
2025.09.05 学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!- 市役所に聞いてみた!編

『学生が聞く!アサカストリートテラスのウラ話!』とは

朝霞市に住む学生がアサカストリートテラスに関わる人たちにインタビュー!
朝霞市民でも知らないアサカストリートテラスの裏話を聞いていきます。

今回お話しを聞いた方

宇野 康幸 さん

宇野 康幸 さん
高校卒業後に朝霞市役所へ入庁し、道路や公園といった生活インフラの整備を中心にキャリアを重ねる。アサカストリートテラスが立ち上がった当時は「まちづくり推進課」で担当を務め、まちづくりを現場から支えました。2025年より朝霞市副市長に就任。人生の大半を朝霞と共に歩んできた、朝霞のまちづくりを知り尽くす存在です。

松岡 里奈 さん

松岡 里奈 さん
朝霞市役所 都市建設部長。2024年に国土交通省からの出向で着任。アサカストリートテラス実行委員会の一員として、民間の活動を後押ししながら行政の立場だからこそできる視点やアドバイスを提供しています。


アサカストリートテラスとの最初の関わるきっかけは?

宇野さん:話せば長くなりますが、実はコロナ禍以前から伏線はありました。2020年2月にシンボルロードが完成したのですが、その直後からあらゆるイベントが中止になる状況に。私たちはこの新しい道をどう活用するか、密かに検討を始めていました。
特に、朝霞駅前商店街からシンボルロードへ続く動線は大きなテーマでした。市としては駅前通りの一方通行化という長年の課題があり、地域の方々に喜んでいただきながら、その未来に繋げられないかと考えていたんです。そんな想いを持つ市と、駅前商店街、商工会の方々がこっそり集まり、「何かできないか」と話し合っていた。それが、アサカストリートテラスという形で花開いたんです。

松岡さん:「都市建設部」の部長を務めることとなり、担当部署の責任者としてこのアサカストリートテラスに関わり始めました。

朝霞市_1枚目


コロナ禍でのイベント立ち上げは、大変だったのではないでしょうか。

宇野さん: もちろん、新たなイベント開催はとんでもないことだ、という世の中の空気はありました。しかし、屋外の広い空間であること、そして何より、閉塞感が漂う中で「そろそろ外で楽しみたい」という皆さんの潜在的な欲求を感じていました。
プレイヤーとして、駅前商店街会長の山崎さん、そして多くの作家さんとのハブ機能を持つ「コトノハコ」の滝澤さんは絶対に必要だと考えました。決断が早く、行動力のある彼らがいたからこそ、「とりあえずやってみよう」と踏み出せました。そこに、国からの補助金という偶然の追い風も吹いたんです。


やはり相当なご苦労があったのですね。そんなコロナ禍での立ち上げを経て今に至りますが、松岡さんは去年からアサカストリートテラスに関わってるとのことで、実際関わってみてどうですか?

松岡さん:ストリートテラスにそもそも参加したことがなかったので、初めての年(2024年)は、出来上がった姿が具体的に想像できませんでした。実行委員の皆さんが、どうしたらうまくいくかと試行錯誤しながらつくりあげていく姿を間近で感じながら、皆さんに引っ張ってもらっていました。当日はあいにくの雨で、最初は悔しい思いもありましたが、雨でも皆さんが楽しんでいる姿を見て、ストテラが市民にとって大切にされていることが感じられて良かったです。さらに翌日はとてもいい天気で。アサカストリートテラスのあたたかい空間でみんなが楽しんでいるんだなっていうのを実感しました。

朝霞市_2枚目


朝霞市の民間の事業者と一緒に進めていくこのアサカストリートテラスですが、朝霞市としてはこの雰囲気はどう感じていますか?

宇野さん:今でこそ運営も形になってきましたが、立ち上げ当初やコロナ禍の2年目は大変でした。特に、お酒を提供するか否かで会議室に怒号が飛び交ったこともあります。「誰が責任を取るんだ」と、、そういった本気のぶつかり合いがあったからこそ、今の強い実行委員会があるのだと思います。

松岡さん:今は民間の皆さんに自由に考えてもらい、我々行政はそれをサポートするという形にシフトしてきています。民間主導にどんどん近づいている実感があります。

宇野さん:このアサカストリートテラスが他の市のイベントと圧倒的に違うのは、市民の皆さんからお預かりした税金を投入していないということです。企画から運営まで民間の皆さんの創意工夫により成り立っています。だからこそおしゃれで温かい雰囲気が生まれるのだと思います。


朝霞市の税金を投入せずにできていたんですね!松岡さんがおっしゃったように今後はもっと民間が主体になっていくということでしょうか?

松岡さん:あくまでも我々の役割は民間の皆さんからのシンボルロード活用のアイデアを、できるだけ実現できるように行政としてサポートする形で関わっています。このままアサカストリートテラスが続いていくためには自立自走を目指すことが必要だと思います。実際、3回目までは国の補助金を受けていたのですが、その後は民間の皆さんの知恵で資金を回して運営をしながら、今まさに頑張っているところなので、それが軌道に乗っていくのが理想です。


アサカストリートテラスにすごく熱意を持って関わられているのがすごく伝わってきました!

宇野さん:思い入れはやっぱりあるんですよね。コロナの時に駅前通りの落ち込みっていう課題もあったなか、アサカストリートテラスが始まったことによって、シンボルロードの使い方とか、シンボルロードに関わってくれる方がすごい増えたっていうのは本当に大きなことだと感じます。まちづくりって市が中心だと絶対うまくいかないなと思っていて、、子育て中の方とか学生さんとか、そこに住んでる市民の方が意見が言えるような場所を提供することによって、1年ごとに何か少しずつ変わっていけばいいのかなと思ってます。一方で、やはりお金の面が運営において相当かかるので、自立、自走という部分は工夫していって市民の皆さんから少しずつ協力いただいて運営していただくってのが1番いいですね。だからこそ、若い力、学生さんや発信力のある方にどう活用していくか考えてもらうのも必要です。日本一の民間のイベントにもしたいなと思っていますし、実行委員会の皆さんの顔見てるときっとできるだろうな、きっとできるんじゃないかなっていう風に自分は感じています。

朝霞市_3枚目


若い人も巻き込んで続けていきたいというお話ですが、どれぐらいまでアサカストリートテラスが続いてほしいですか?

宇野さん:100年!少なくとも50年後も続いて朝霞を代表する素晴らしいイベントになっていると信じています。我々市が中心ではなく民間が主体的に考え取り組んでいるからこそ進化し続け、これからも残っていくイベントになるのかなって思ってます。

朝霞市_4枚目


100年も続くイベントに!壮大ですね!私もアサカストリートテラスが朝霞の魅力の1つになってほしいです!そんな朝霞愛溢れるお二人の考える朝霞の魅力とは何でしょうか?

宇野さん:朝霞市は、人口減少社会の中で、当面は人口増加が続くという数少ないポテンシャルを持つ街です。東京から近い利便性だけでなく、彩夏祭やアサカストリートテラスのような体験が、この街への愛着を育み、持続的な成長に繋がっていくのだと思います。

松岡さん:国土交通省にいた時から朝霞市が官民連携のまちづくりが盛んとは聞いていました。加えて、実際に私が朝霞に来て思ったのは、いい意味でちょっと田舎らしさも残っているところです。そして何より、人の繋がりを大切にする「あたたかい」市民性を強く感じます。この市民性こそが、朝霞の最大の魅力であり、未来を創る力だと感じています。

朝霞市_5枚目


最後に!今年のアサカストリートテラスへの想いは?

宇野さん:とにかく、晴れてほしい! それだけです笑。天候に恵まれさえすれば、素晴らしい皆さんのおかげで、最高のイベントになることは間違いありません!

松岡さん:今、実行委員会ではいくつかの新しいチャレンジを計画しています。駅前商店街の交通規制を2日間にできないか、朝霞の森の空間も活用できないか、などなど。どこまで実現できるかわかりませんが、この新たな挑戦が成功し、たくさんの皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです!